アタック・ザ・ガスステーション


2006.2.18 ぶっ壊す爽快感 【アタック・ザ・ガスステーション】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
コメディといって良いのかわからないが、僕はものすごくコメディに感じた。暴力的な映画と見られなくもないのだが、暴力よりをふるうきっかけが、ものすごくハチャメチャでリアリティがないぶんコメディチックに感じてしまった。人を殺す場面がないというのもそう思う理由のひとつだろう。ハチャメチャな中にも韓国の若者文化を垣間見ることができ、どこまでが真実かわからないのだが日本にはない韓国独特な雰囲気というものも感じることができる。

■ストーリー

暇をもてあましている若者4人組が、何となくガソリンスタンドを襲撃し、従業員を人質にとって立てこもった。さらには事件が起きていることも知らずにスタンドにやってきた人々をも巻き込みながら、やがて若者たちは警官隊と対峙する羽目になる……。

■感想
暇だからガソリンスタンドを襲撃しようってのは若者の無軌道さを表すのには良いかもしれない。そして特に理由もなく物を破壊したり、人に暴力や軍隊式の訓練をやらせたりする。しかし、そんな理不尽な状態でもコメディに感じてしまうのは、絶対に人を殺さないということと血が流れないということ。さらにはやられるモノ達に悲壮感がただよっておらず、変に惨めで見ていておかしくなるからだろう。

四人の登場人物達は個性的なのだが、ガソリンスタンドを襲撃する明確な理由はもちろんない。それぞれ自分のトラウマを晴らすために、自由気ままにガソリンスタンドの中を動き回る。元軍人と思わしき人物が、ちょっと頭が弱く、その筋肉バカっぽい行動も作品をコメディ化するのに役立っている。

ガソリンスタンドに訪れる人々が次々とスタンドの中に軟禁され、軍隊式の訓練を受ける。この辺は徴兵制がある韓国らしいと思った。恐らく日本では自衛隊式の訓練をやってもまったくピンとこないだろう。それ以外では特に日本とは変わらないはずなのに、どこか決定的に日本とは違う何かを感じてしまった。それは何かと考えると作り手の祖国を思う気持ちというのが作品に非常によく現れている。日本でここまでやるとある意味マニアックに思われてしまうだろう。

結局、最後まで誰一人死ぬこともなく、激しい暴力の割には映像的に見ていて辛くなるようなこともない。最後の場面は何か青春映画のような雰囲気さえ漂っていた。



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