アマンドラ!希望の歌


2005.8.30 歌は剣より強し 【アマンドラ!希望の歌】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
アパルトヘイトに対する特別な印象はない。 まあ、差別は良くないという程度のものしかない僕が実際にアパルトヘイト下での 南アフリカの実態を目の当たりにして衝撃をうけた。 ドキュメンタリーであり映像の中には何千?何万?人の人々がそろって踊り歌う。 その迫力はものすごいものであり、自由を歌うことによって勝ち取ってきたという事実に驚かされた。 過程も大事だが、歌うことによって自由を得ることができたという結果が伴っているので 本作の衝撃度は大きい。

■ストーリー
アパルトヘイト下の南アフリカを舞台に、 自由を取り戻すための黒人達の長い戦いを収めたドキュメンタリー。

■感想
インタビュー形式で始まり、自由を獲得するために犠牲になった人々の回想から入っていく。 その時点で何かちょっと違和感を感じたのは、僕自身がアパルトヘイトに対する 知識を持ち合わせておらず、漠然と人種差別という程度の意識しかなかったからだ。 何故そんなことをするのか、何の為なのかを理解できず、また差別されたと言っても 住む場所を隔離された程度だろうと思っていたが違っていた。

本作を見ることであらためて知らされる事実が多々あり、その理不尽な政策に対する 抵抗手段として武力で対向するのではなく、歌と踊りで対向するという発想と そこまで無抵抗主義を貫く信念に驚かされた。

歌と踊りは別に黒人だけのものではなく、白人であろうが黄色人種だろうが歌って踊ることはできる。 しかし、この南アフリカでのアパルトヘイトに対向するための歌と踊りは、 何か普通とは違う執念のようなものを感じずにはいられない。 陽気なテンポと音楽で歌詞の内容をしらなければとても楽しく踊れる音楽なのだが 実際の歌詞はとてもえげつないことが書かれている

仕事として黒人の暴動を警備する任務にあたった白人兵士にとっては黒人の集団が 歌って踊りながら押し寄せてくる場面に出会った場合、その恐怖は想像を絶するものだろう。 一種のデモでありながらも、そこまでの力が発揮できるのは、政策への不満と 生活の中に浸透している歌と踊りを使って対向しているからだ。

衝撃的な内容だが、真実を語っているだけに説得力がある作品だ。



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