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2005.5.14 原因不明な悪意 【悪意】

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■ヒトコト感想
手記中心の作品。ある意味小説も同じようなもので手記だけで 物語を判断しなければならない。それを逆手にとって 手記では書かれない部分でトリックがあるというのはちょっと ずるい感じがした。

■ストーリー
人気作家・日高邦彦が仕事場で殺された。 第一発見者は、妻の理恵と被害者の幼なじみである野々口修。 犯行現場に赴いた刑事・加賀恭一郎の推理、 逮捕された犯人が決して語らない動機とは。人はなぜ、人を殺すのか。

■感想
悪意は動機になるだろうが、その悪意を持つ原因はある程度明確に わかると思う。悪意を持っている本人もわからないような悪意というのが この世にあるのだろうか。 その悪意を動機として緻密なトリックを駆使して殺人を犯すとは とても思えなかった。

動機が釈然としないと、読み終わってもイマイチスッキリしない。 中には結末に納得できて、もしかしたら共感できる人もいるかもしれないが 僕は全然納得できなかった。

手記中心というのもあったが、展開が前半と後半では全然違っていて それは手記中心でまんまと騙されましたね。と言われても納得できない。 前半、手記で書かれていたことは全て嘘でしたーと言っているような ものだ。ある意味大どんでん返しかもしれないが、返し方が なんでもありな気がしてならない。

悪意というタイトルがついているが、動機が悪意だけで人は動くものだろうか？ そういう意味ではタイトルの悪意でもいいのかもしれないが 僕は全編通して手記がメインだと思う。