2006.12.4 まったく面白いと思わない 【アフターダーク】
														
														
                                 
            
            
            評価:3
                                                                        
            
															■ヒトコト感想
														作品としての印象を聞かれるとどうしても結末の印象が大きく影響する。本作も前半から中盤にかけてミステリアスで、そして何か不思議な出来事が起きているような気分にさせられる。しかしそれが最後まで謎が謎のままで終わってしまうと、どうしても気持ちが悪くなってしまう。あの出来事はなんだったのか?あの登場人物はなんだったのか?非常に興味を引かれる伏線が多数用意されてはいるが、それらに対して一切説明がない。これは村上春樹作品全般に言えることだろう。
														
																	
																	■ストーリー
														時計の針が深夜零時を指すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいた。フード付きパーカにブルージーンズという姿の彼女のもとに、ひとりの男性が近づいて声をかける。そして、同じ時刻、ある視線が、もう一人の若い女性をとらえる―。
														
														■感想
														明確な答えを求めるのがまるで悪いことかのような気持ちになる。世間で大人気の村上春樹だが、僕はどうしてもなじめない。世間の流れに逆らうようだが、きっちりとした説明を求めてしまう。自分の頭の中でその後の展開を想像するのが本作の読み方なのかもしれないが、僕にはできなかった。
															
															別に徹底的なリアリストではない。作中に妄想的な出来事があってもそれは大いにかまわないと思う。本作のように何か不思議な出来事が起きるのは逆に好きかもしれない。しかしその不思議な出来事には最終的に答えが必要だと思う。宇宙人はいるのか?とか幽霊はいるのか?でもいいが、なんでも答えを求めようとしてしまう。それが正解でなくてもかまわない。ある程度物語に決着がつけられればそれで満足してしまう。極端に言えばその決着のつけ方で評価が変わるといってもいい。本作はその決着を放棄しているように感じてしまった。
															
															何か教訓めいたものがあるとか、心に残る何かがあるとか、それらが一切ない。物語としては非常にサクサクと読み進めることができ、登場人物たちの知的な言動や行動理念など、興味深く読むことができる。しかし、その後最終的な結末がないので、どうしてもぼんやりとした印象しか残らない。結局は何が言いたかったのか?何が書きたかったのか?それが理解できなかった。
															
															おそらく世間の評価とはかけ離れているかもしれないが、これが僕の正直な感想だ。
															
															
            
            
            
          
              
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