2008.7.23 ビートルズ=反体制的 【アクロス・ザ・ユニバース】
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評価:3
■ヒトコト感想
1960年代というのは生まれてもいないし、ビートルズの曲に対してもそれほど詳しくもない。ビートルズの曲にのりながら、自由を謳歌しようとする若者たち。年代的なものでいうとおそらく今60代の人であればドストライクなのかもしれない。ビートルズの曲にあわせてベトナム戦争に反対する。ビートルズの曲に詳しければ簡単に感情移入できるだろう。もしくは、その時代に強烈な思い入れでもあれば…。反体制的な雰囲気と、学生運動的なのりを感じながら、この雰囲気になじむことができない自分がいることも理解している。世代的なもので、本作に対する感想は随分違ってくると思う。テレビのスペシャル番組で過去の映像を流し懐かしむ、そんな感情にさえなってしまった。
■ストーリー
1960年代。リバプールからアメリカへ、ジュードが父親を捜しにやってきた。彼は父親との再会には失望したものの、新しい友人マックスやその妹ルーシーと出会う。やがてジュードはマックスとNYに向かい、歌手のセディが住むアパートの間借り人に。ギタリストのジョジョ、同性愛者のプルーデンスらと出会いい自由な時を満喫していた。兄を訪ねてやってきたルーシーとの恋に落ちるジュード。しかしマックスは徴兵されベトナムへ…。
■感想
ビートルズの曲が印象深いのは確かだ。リアルタイムにその時を過ごしていなくとも、どこかで耳にしたことはあるはずだ。僕らの年代で言うと、おそらくポンキッキなどで頻繁に耳にしたかもしれない。そんなビートルズの曲をベースとして物語は進んでいく。アメリカは世界の警察。巨大な軍事力で圧倒的力を示し、自国民は戦争中であってものんびりコーラを飲んでいる。そんなイメージをもっていたが、ベトナム戦争での徴兵制度は、そのまま日本の徴兵制度と近いものを感じてしまった。反戦運動とビートルズ。これほどしっくりくるとは思わなかった。
誰もが聞いたことのある有名な曲であったり、マイナー曲であってもおかまいなし。若干ミュージカルに近いものすら感じる本作。音楽と共に過去の記憶がフラッシュバックすれば、監督の思惑通りになる、そうでなければ、感動も薄れてくる。本作のターゲットをどこにおいているかにもよるが、自分にはちょっとずれていると感じた。ベトナム戦争の悲惨さや、自由な雰囲気を阻害する国全体の雰囲気は十分に感じることができる。そして、それらに反発する若者。反発の象徴として描かれているビートルズ。今見ることに価値があるのだろう。
ラストには全てを清算するように歌で終わる。世界人類の平和を願う歌。そのシーンを見てすぐに思い出したのは”We are the
world”だ。イラクへの派兵が騒がれている現代。メディアの報道からはベトナム戦争ほどの陰惨な印象はない。どこか別世界の話として傍観してしまっている。もし、リアルタイムにベトナム戦争を見ていれば、また違った思いがあるのだろう。最後の歌であっても、感動でむせび泣くのかもしれない。
本作見てどのような感想をもつのか。世代間で随分と意見が分かれそうな作品だ。
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