P2


2008.5.26 ストーカーモノの極み 【P2】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
俗に言うストーカーモノの極みが本作なのだろう。ビルの中の地下駐車場というのが、実は巨大な密室になりかねないというのは盲点だった。ほぼ一晩の出来事でありながら、地下駐車場で繰り広げられる惨劇。サイコ系の作品としてのポイントは抑えられており、見回りにきた警察たちとのニアミスする瞬間は手に汗握る場面だ。しっかりと作りこまれているが、地下駐車場というのが本当に逃げ道がないのだろうか。監視カメラで隅々まで監視されながらも、逃げおおせそうな気がするのは僕だけだろうか。気になる部分は沢山あるが、圧倒的なサイコ具合と、グロテスクな場面。血しぶき飛び散る激しい逃走劇は目が離せなくなるのは確実だ。

■ストーリー

クリスマスイヴのNY。残業を終えたアンジェラはホームパーティへ向かうために車に乗り込むが、エンジンがかからない。駐車場の警備員・トムに車を診てもらうが、やはりエンジンはかからなかった。しかもビルが施錠されていてしまい、外にも出られなくなってしまう。それを知り途方に暮れていたアンジェラは、直後、薬で何者かに眠らされる。そして気が付くと、そこには手錠をはめられた自分と、サンタ姿で微笑むトムがいた……。

■感想
正直、前半部分はなんてことないストーカーモノだとばかり思っていた。ただ、密室ではなく、巨大な地下駐車場というだけで、やってることは良くある定番を踏襲していると思っていた。しかし、中盤以降にトムのサイコ具合がエスカレートしていくと、一気に目が離せなくなってくる。表情は最初と変わらないのだが、やってることが常識を超えている。特に、アンジェラにセクハラした男を棒でぶちのめし、さらにはキャスター付きの椅子に縛り付けたまま、車で押しつぶすなど、ショッキングすぎる映像が目白押しとなる。ここまで見せられると、もう目は画面に釘付けになること間違いないだろう。

トムの魔の手から必死に逃げ惑うアンジェラなのだが、うまくいかない。この微妙な加減が観衆を飽きさえない秘訣なのかもしれない。見回りにきた警察とニアミスする場面や、電話が通じるか通じないかの瀬戸際であったり、エレベータに逃げ込んだり。単調になりがちな監禁ものでありながら、舞台が巨大なだけに、どうとでもできる材料にはことかかないのだろう。ただ、巨大な舞台であるだけに、どうにかすればトムの魔の手からあっさりと逃げ出せそうだと思えて仕方が無かった。

血しぶきが飛び散り、もはや逃げているアンジェラさえも正常な感覚がなくなるほどのテンション。はっきり言えば、監禁モノでありながら、カーチェイスを行うなど、想像を超えた映像ではある。二人っきりで鬼ごっこをしながら、捕まれば死ぬしかない。そんなテンションなのかもしれない。トムの異常さは際立っているのだが、それが霞むほど、はちゃめちゃなことをやっているようにも感じた。いくら追い込まれたからといって、アンジェラが起こす行動も、かなり常識を超えているのは確かだ。

新しいパターンの監禁モノなのかもしれない。密室とは言いがたい雰囲気はあるが、逃れられない鬼ごっこというイメージだろうか。



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