40歳の童貞男


2006.12.25 これは真の童貞ではない 【40歳の童貞男】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
自分は自分のままでいいんだ!!という慰めにも何もならない結論に達する物語。結論はおいといて、下ネタを含んだお笑いはとても面白い。単純にテレビでは放送できない面白い部分を映画でやってしまったような気がする。童貞男であるアンディがステレオタイプなオタクで、それが日本でいうところのオタクとまったく同じことに驚いた。童貞ということで、どれほどひどいかというとそうでもない。普通に女性にもてたりする。チャンスはあるがそれを活かしきれていないだけ、これでは真の意味での童貞とはいえないのかもしれない。いないとは思うが、本作を見て勉強しようなどという童貞男は、見るのをやめたほうがいいだろう。

■ストーリー

フィギュアとテレビゲームに囲まれた部屋で、今年40歳になるアンディ(スティーヴ・カレル)のいつもと変わらない1日が始まった。几帳面に身支度を整え、自転車で家電量販店に出勤。彼は販売員ではなく、あまり人と接することのない地味な商品管理の担当だった。まわりからは退屈な奴だと思われても、TVで「サバイバー」を見ることの方が大切なアンディにとっては、それが充実した日常。しかしその夜、小さな“事件”が発生。それが彼のオスのDNAを無理やり目覚めさせることになろうとは…。

■感想
自分の好きなものに囲まれ、マイペースに生きる。これぞまさしくオタクの真髄だ。毎日変わらない日常を過ごし、TV番組を楽しみに毎日を過ごす。真にマイペースな男ならば、自分の生き方に迷いがなく友達との会話でも自分が童貞であるということを隠したりしないはずだ。しかし本作のアンディはどこか後ろめたいところがあり、無理矢理、非童貞のフリをする。へんなところでプライドが高いのも雰囲気としてうなずける部分ではある。

しかし、普通の童貞と決定的に違うのは、なぜか普通に女性にもてたりするのだ。これは童貞をすてたくてもすてられないのとは違い、チャンスを逃していただけなのだ。だとすると普通に四十歳まで童貞の男とはどこかが根本的に違うような気がする。もし、本作のタイトルだけを見て、どこか共感して映画を見にきた真の童貞は本作を見て怒り狂うかもしれない。

最後には自分はありのままの自分でいいのだ、という
犬の餌にもならない教訓で終わる。別にこれを目的としているわけではないので良いのだが、随分と投げっぱなしな終わり方だと思った。それ以外には下ネタ満載で、ニヤニヤ笑いがでる。極めつけは主人公のアンディを演じているスティーブ・カレルのくそ真面目そうな顔。真面目に女をクドこうとする場面ではそれだけで笑いがでる。脇役たちもクセがありかなり面白い。コメディとしてはちょっとテーマで得している部分もあるが十分楽しめる。

単純なコメディとして見れば十分に面白いし、最後はなぜか少し感動する。



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