300


2007.6.15 戦闘シーンは必見! 【300】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
筋肉隆々の男たちが激しい戦いを繰り広げる。正直、大帝国ペルシャに攻められるスパルタの政治的な出来事はどうでもいい。男たちの盛り上がる筋肉を駆使して敵に槍を突き刺し、剣で相手を真っ二つにする。まさに戦うために存在しているようなスパルタ軍。強大な敵であるペルシャ軍も負けず劣らず個性豊かで、スパルタ軍に負けないほどの存在感をしめしている。怪しい仮面をつけた軍隊や猛獣を駆使した軍隊。それらを殲滅していくスパルタ軍の戦いはスローモーションでゆっくりと描かれているが、その分力強さをこれでもかとアピールしている。この戦いだけでも見る価値がある。

■ストーリー

紀元前480年、東方の大帝国ペルシアがギリシアに宣戦布告してきた。スパルタの王・レオニダスは、その使者を葬り開戦を決意。彼のもとに集った300人の精鋭を率いて、100万人ものペルシア軍を狭い山道で迎え撃つ。

■感想
最初の印象ではトロイのような感じかと思っていた、しかしふたを開けてみればまったくの別ものだった。度肝を抜かれるペルシアの王の容姿。ジャラジャラとピアスをあちこちにつけ、奴隷たちに台車を引かせる姿は、古い話になるが北斗の拳の悪役にそっくりだ。キャラクターも北斗の拳そのままに、個性豊かなやられ役が登場する。猛獣を使って相手を圧倒的に威圧するような軍隊であったり、怪しげな爆弾を使った軍隊であったり。そしてお決まりどおりそれらやられ役はあっさりとスパルタ軍にやられていく。やられっぷりも申し分ない。

本作の見せ場である戦闘シーンは激しい動きをスローモーションで表現するというよくあるパターンだが意外に新しい手法をとっている。実はありそうでない魅せ方かもしれない。人の肉体に槍が刺さるその質感までもはっきりと画面上から伝わってくるようで臨場感溢れる戦闘シーンと生死をかけた激しさというものが表現されている。スローモーションのもう一つの効果は、戦いにおいて
激しく躍動する筋肉の動き一つ一つがはっきりとイメージできることだ。

300対100万という圧倒的な戦力差のなかであっても、戦いの場においては一対一のタイマンのような雰囲気が流れている。初期のころの戦いが軍隊式の規律のとれた戦いならば、後半は一個人の力のみで戦うような、そんな雑多な雰囲気があった。本作においてはこの雑多な戦いこそが作品の良い部分を引き出している。血が飛び散り、首が飛ぶ戦場にも関わらず残酷さをそれほど感じないのは、そのハイテンションな戦いの場だからこそだろう。

圧倒的な迫力の戦闘シーンと個性豊かなペルシア軍は必見の価値あり。



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