16ブロック


2006.10.18 ブルース・ウィルスの髭 【16ブロック】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ブルースウィルスのひげヅラが気になって仕方がない。意外に似合っており、今までの暑苦しさよりもなんとなく知的で紳士的な雰囲気を出している。そんな刑事が証人を輸送するために銃撃戦を繰り広げる。物語の根底には人は変れるかというのがあるようだが、それよりも感じたのは人を信じることができるのか、ということだ。もしかしたらジャックが人を信じること自体が変ることなのかもしれない。ニューヨーク市外での激しい銃撃戦。ダイ・ハードのイメージよりもやけに都会派に感じてしまったのは、ニューヨークという町並みよりも、ブルースウィルスのひげヅラによるところが大きいのかもしれない。

■ストーリー

日本で言うなら原宿~渋谷間ほどの距離にあたる、16ブロック先の裁判所まで、留置場から証人護送をすることになったNYの刑事ジャック(ブルース・ウィルス)。だがその証人が実は警察の不祥事を暴く輩だったことから、ジャックの仲間の刑事たちが証人を消そうと襲ってきて…。

■感想
汗臭い暑苦しい親父のイメージがダイ・ハードで定着していたのだが、本作のジャック刑事役でかなりイメージが変ったかもしれない。スーツを着こなし、渋く髭を生やすことでどこか知的な雰囲気を醸し出し、暑苦しい筋肉バカなイメージから頭の回転が速く、きれる男を演出している。物静かで寡黙なところも一役かっているのだが、それでも酒におぼれるあたりはなんとなくまだ昔のブルース・ウィルスの面影を残している。

ブルース・ウィルスと共に注目を集めるのが証人役の男だ。なんてことない役のはずなのにその特徴的で耳に残る高い声で、時には真実を話しているはずなのに、やけにうそ臭く聞こえたり。お決まりのフレーズを話しているだけなのに、それがやけに心に染み渡るような話に感じてしまう。この証人が完全な善人であったり、魅力的な人物であればまた物語の雰囲気も違ったものになっていただろう。ひとつ間違えば裏切りかねない雰囲気を持ちながら、ジャックのことを信頼している。それがあるからこそ逃亡劇に
ぎりぎり感が溢れているのだと思う。

ジャック刑事が頭が切れるという描写が多数登場し、追いすがる同僚刑事たちをうまく煙にまきならが証人を裁判所までたどりつかせようとする。ジャックが絶体絶命になったときでも、いつの間にか逃げ切っていたり、このあとどうやって物語を終わらせるのか疑問だった部分もうまく解決させている。見所はどこかと聞かれると非常に困るのだが、ビジュアル的にはブルース・ウィルスのひげヅラで、ストーリー的にはインパクトはそれほどない。しかしところどころで手に汗握る部分があるのは事実だ。

大作というわけではないが、新しいブルースウィルスを見るにはちょうどいい作品かもしれない。



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